僕は二つの世界に住んでいる

現代社会と科学の空白に迷い込んだ人物を辿るブログ。故人の墓碑銘となれば幸いです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

「麻原尊師をどう思う?」

この言葉は、1996(平成8)年11月13日の中川智正公判において、被告である中川智正さんが、証人出廷してきた共犯者・魚崎仁に直接尋ねたものです。(「毎日新聞」1996年12月10日大阪朝刊) 魚崎仁は、灘高校から東大医学部を経て医師となり、その後オウム真…

どうして捕まえてくれなかったのでしょう。都庁の職員の指が飛ばされる前に

この言葉は1996年5月21日の中川智正第五回公判にて、 中川さん自身が「事件全体について、二点述べたい」と珍しく意見陳述をしたなかの 言葉です。 調書では「テロ」という言葉が出てくるが、その意識は仲間うちにはなかった。 逮捕されてから分かったことだ…

中川智正(サリン製造役)から見た地下鉄サリン事件

本日、地下鉄サリン事件から27年です。 私はこういうブログを書いているため、何となく献花に三年ほど行っておりましたが、今年は、翌日早朝から仕事のため、いくのをやめました。 私は地下鉄サリン事件に遭遇せずに済んだけれどその日被害に遭われて亡く…

泣いてしまったのは、林(郁夫)さんがかわいそうだったから

このオウム法廷の中で、何度か公判に証人として出廷しあっている同じ医師免許を持つ者として一括りにされている感じもする中川智正さん、林郁夫さんですが 私個人は、林郁夫さんと中川智正さんは全然違うタイプだと考えています。 林郁夫さんは、まだ世間の…

「慟哭の法廷」を見直す

林郁夫さんの裁判は、「慟哭の法廷」と言われていました。実際、佐木隆三氏はそれをタイトルに著書を出しています。 慟哭 小説・林郁夫裁判 (講談社文庫) 作者:佐木隆三 講談社 Amazon かつての教祖の裁判に証人出廷し、「自分たちが殺してしまった人たちが…

オウム真理教の医療とイニシエーション

しばらく林郁夫先生関係のエントリーが続きます。それは、林郁夫『オウムと私』という著書があるからです。 オウムと私 (文春文庫) 作者:林 郁夫 文藝春秋 Amazon この本は、林郁夫さんが無期懲役囚として千葉刑務所で書かれた書物です。 オウム真理教の医療…

「サリンを、撒きました。」

この言葉は、林郁夫さんが警察に自首した時の言葉です。 そして、この言葉はドラマでも使われました。 個人的には、平田満さん演ずる林郁夫さんの自首シーンが印象的で、姿は似ていないけれど、演技で林郁夫を表現されたと感じました。 なぜそう思ったかとい…

オウム真理教附属医院と中川智正

先日、こちらの記事を見て、 中野区の図書館に行きたくなりました。 news.yahoo.co.jp >前日には中野中央図書館に赴いた。受付でオウム事件の関連書籍は200冊を超えていることがわかり、 そんなにたくさんあるのか! 実際中央図書館(最寄りは中野駅)に行…

抽象的なことばかり言っているんですね

これは、1996(平成8)4月24日にようやく開かれた初公判以降の教祖・麻原彰晃の言動に関する新聞記事を読んだ中川智正さんの所感でした。 (「朝日新聞」1996年5月21日夕刊) 教祖の初公判の様子については、青沼陽一郎氏の『オウム裁判傍笑記』が優れてい…